ケアマネ歴12年、介護福祉士歴8年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。成功した転職もあれば、失敗した転職ありました。そんな転職経験を活かすため当ブログを立ち上げました。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。保有資格は、介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、介護事務、ケアクラーク、他。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。
ケアマネジャーの転職や退職の時期はいつがおすすめ?
「ケアマネジャーとして働いているけど、いつの時期に転職すべきか知りたい!」
「転職して今より給料アップさせたいし、もっと良い職場で働きたいし、ケアマネとしてのキャリアアップをしたい!」
そんなふうに考えているあなた。
でも出来ることなら、仕事が忙しくない時期、同僚に迷惑が掛からない時期、退職の手続きが面倒じゃない時期、ケアマネの求人が増える時期を選びたいものですよね。
本記事では、ケアマネジャー歴12年で転職回数4回の私が、ケアマネの転職や退職に最適な時期をどこよりも詳しくご紹介します。
目次
ケアマネジャーの転職におすすめの時期は?
ケアマネジャーの転職で注意すべきことは、転職に最適な時期を選ぶことです。
まずは、4つの理由から考えられる転職のベストシーズンを解説します。タイミング見計らって行動に移しましょう。
仕事が忙しくない時期
転職するのであれば、ケアマネの仕事の繁忙期を避けることが無難でしょう。なぜなら、仕事が忙しいと転職活動する時間が取れないし、転職のことを考えれば仕事に気が回らず失敗するリスクが生じます。
転職活動が進まないだけでなく、仕事も中途半端になって会社にも迷惑が掛かってしまう恐れがあります。
ケアマネの仕事内容は毎月単位でほぼ決まっているでしょうから、忙しい時期はご自身が一番よく知っているはず。
居宅ケアマネをしている私の場合、月初は事務作業が多く、月中旬から下旬にかけてお宅訪問をスタートします。
また、新規受け入れや介護保険更新、入退院が発生すると仕事が忙しくなるので、タイミングを見はからう必要がありそうです。
私は1回目の転職活動を仕事が忙しい月末にやってしまい、とんでもないミスを連発した記憶があります。自分では大丈夫だと思っていても、どこか集中力が散漫になってしまうんですよね。月初にすべきでした。
例え技量に自信があるケアマネさんであっても、転職活動を始めるなら仕事が忙しくない時期をおすすめします!
同僚に迷惑がかからない時期
転職活動をするのであれば、同僚に迷惑がかからない時期を選びましょう。
居宅ケアマネの仕事は一人で完結する業務がほとんどで、同僚と一緒に仕事をするという感覚はありませんが、施設ケアマネはチームで動くことになります。
毎日の朝礼と夕方の申し送りでは入所者の健康状態など情報を共有し、事務処理やケアプラン作成は介護職員とのコミュニケーションが必要になります。
サービス担当者会議では、ケアマネが司会といった重要なポジションとなります。
施設によっては、ケアマネが身体介護やレクリエーションといった仕事を兼務する所もあるでしょう。そうなれば、介護職員との連携は必要不可欠。
一匹オオカミの居宅ケアマネも、新入社員が入社する時期や、人事見直しの時期は、普段以上に同僚と関わる時間が増えます。
あなたが退職することによって、しわ寄せが同僚に言ってしまってはどこか申し訳なく思いませんか?
そういったことも踏まえて、同僚に迷惑がかからない時期、具体的には4月〜5月の転職は避けた方がいいでしょう。
退職手続きが面倒じゃない時期
転職に伴う退職手続きがスムーズに進むよう、責任者(人事部)が忙しくない時期を選ぶといいでしょう。
社員が転職する場合、責任者(人事部)が行うことが退職手続きです。退職手続きはそう単純なものではなく、やる側としては結構面倒なもの。
なかでも社会保険の資格喪失手続きはやることが多いんです。
健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届 | 退職日から5日以内 管轄の年金事務所で手続き |
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健康保険被保険者証回収不能・紛失届 | 退職日から5日以内 管轄の年金事務所で手続き |
健康保険任意継続被保険者資格取得届 | 退職日の翌日から20日以内 会社が加入する健康保険組合で手続き |
雇用保険被保険者資格喪失届 | 退職日の翌々日から10日以内 管轄の年金事務所で手続き |
雇用保険被保険者離職証明書(離職票) | 退職日の翌々日から10日以内 管轄の年金事務所で手続き |
給与支払報告に係る給与所得異動届 | 退職日を含む月の翌月10日 退職する社員が住んでいる市区町村または再就職先に提出 |
とまぁ、退職者の社会保険の資格喪失手続きだけでもこれだけやることがあるんです。
その他にも、雇用管理表は在籍から退職へ変更、社内システムのアクセス権停止、メールアドレスの削除など。
退職者に発行しなければいけない書類もたくさん。
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 退職証明書
- 在籍期間証明書
(退職の際に、ちゃんと貰えるようにメモっておくといいでしょう)
こういった手続きが、決算月や決算会計など事務作業が忙しくなる時期にやるとなると手が回らなくなるんです。
決算の対応をしなければならない3月〜5月にかけて、社会保険や労働保険などの申告期限が到来する7月、年末調整絡みの業務に追われる12月〜1月です。
退職手続きも事務の仕事だから後回しなんてあってはなりませんが、これも先ほどの申した「同僚に迷惑がかからない時期」を考慮すれば、退職者が時期を考えるべきかもしれませんね。
ケアマネジャーの求人が多い時期
上記3つは、言ってしまえば他の人に迷惑が掛からないための配慮です。でも、やっぱり一番大事なことは、自分自身の転職の成功ですよね!
転職を成功させるためには、何と言っても良い条件の求人を見つけること。
つまり、ケアマネの求人が最も活発な時期に転職することです!(ここ大事)
介護業界全体の採用活動が活発化するのは2月〜3月で、新年度を迎える4月に企業が社内体制を整備するためです。
また、中途採用の求人が多くなる時期は3月と9月となっています。これは、多くの企業が上期(4月)と下期(10月)の中途社員の入社を見込んでとのこと。
6月もケアマネの求人が増える時期です。四半期の期初となる7月入社を前提とした採用、また夏のボーナスをもらった後に転職活動を始める転職者の動きに合わせて採用しています。
春入社の新卒採用が6月に落ち着き、このタイミングで中途採用を活発化させるというのも理由。
つまり、2月、3月、6月、9月がケアマネの求人が多い時期ということ。
試しに私がよく利用する介護転職サイト「マイナビ介護職」で比較したところ、以下のような求人数推移となりました。
1月 | 3,738件 |
---|---|
2月 | 4,010件 |
3月 | 4,056件 |
4月 | 2,877件 |
5月 | 2,549件 |
6月 | 3,811件 |
7月 | 3,041件 |
8月 | 3,679件 |
9月 | 3,908件 |
10月 | 3,508件 |
11月 | 3,487件 |
12月 | 2,841件 |
データで見ると2月、3月、6月、9月の求人数が多いですね。数値に反映されていない非公開求人も同時期に増えると考えられるので、実際は1.5〜2倍の募集があると思われます。
ケアマネが転職すべき時期は2月、6月、9月
以上の4つの理由から、ケアマネ転職のベストシーズンを割り出してみます。
- 仕事が忙しくない時期 → ケースバイケース
- 同僚に迷惑がかからない時期 → 4月、5月以外
- 退職手続きが面倒じゃない時期 → 3月、4月、5月、7月、12月、1月以外
- ケアマネの求人が多い時期 → 2月、3月、6月、9月
つまり、ケアマネジャーが転職すべき時期は、2月、6月、9月ということが私なりの結論です。
転職時期が決まった後にやるべきこと
転職時期がハッキリした今、次にやるべきことは次の通りです。
- 退職届の準備
- 上司に相談
- 転職サイトに登録
- 業務の引き継ぎ
- 担当利用者に挨拶
- サービス事業所に挨拶
- 上司や同僚に挨拶
では順番に詳しく解説していきます。
1. 退職届の準備
転職すると心に決めたなら、すぐにでも退職届を書くといいでしょう。目に見える形で行動することで、転職に対する迷いや戸惑いを払拭することができます。
退職届の用紙など必要な物はすべて100均で揃います。仕事終わりにでも以下を買い揃えましょう。
- 便箋
- ボールペン
- 白無地の二重封筒
退職届の書き方もシンプル。以下を参考に文言を書くだけ。
〇〇部〇〇課という括りがなければ省略でOK。用紙を入れる封筒も、以下のよなシンプルな形で問題ありません。
用紙は三つ折りにして封筒に入れましょう。のり付けする必要はありません。
ちなみに「退職届」と「退職願」の違いはこちら。
退職願 | 会社に退職したいことを願い出るもの。承諾されるまでは取り下げることもできる。会社から拒否をされることも。出しただけでは退職にならない。 |
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退職届 | 会社に可否を問わずに退職の意思を届け出るもの。提出したことで、民法上2週間後に退職することができる。 |
退職届の方が効力が高めですが、まぁどちらでもいいでしょう。受け取る側もそこまで理解していません。
勤務先の就業規則で「退職届は○日前に提出」と決められている場合もありますが、法律上は2週間前に退職届を提出すれば退職(自己都合)が可能。がしかし、目指すべきは円満退職。社会人であれば最低限のマナーです。
2. 転職することを上司に相談
退職届の準備ができたら、それを持参して直属の上司、もしくは責任者に転職に伴う退職の相談を行いましょう。
いきなり「辞めます!」ではなく「転職しようと思います」から和やかに切り出しましょう。目指せ円満退職です。
あなたが辞めることで事業所はそれなりの損害を被られます。また、退職後の担当引き継ぎ、欠員補充などイレギュラー業務も発生。辞められると困る。そのため、大抵の場合は引き止められるでしょう。
しかし、ここで屈しては絶対にダメです!
残ってもまた転職したいと悩むだけ!転職を心に決めたからには、新しい一歩を踏み出すべきです!
部下が退職を切り出した時、上司がまず思うことは「コイツの穴埋めはどうしよう」ということ。あなたが必要というより、人材が必要なだけ。
これ以上仕事を続けることが難しい理由を伝え、この意思は揺るがないことを分からせる。ハッキリとした口調もポイントです。
それはそうと、上司にはあなたの穴埋めをどうするか考える時間が必要です。先ほど説明した、面倒な退職手続きも行わなければいけません。
法律上では退職届の提出から2週間後に辞められますが、少なくとも1ヶ月前、有給消化するなら2ヶ月以上前に相談すると上司も幾分かは救われるでしょう。
3. 転職サイトに登録する
退職日が決まった段階で介護転職に特化した転職サイト、特にケアマネの募集が多い転職サイトに登録しましょう。
転職時に私が登録したのは「レバウェル介護」と「カイゴジョブ」の2つ。2つの転職サイトに登録している理由は、サイトによって扱っている求人が違うからです。良い条件のケアマネ求人は極力逃したくないので、必ず2サイトをチェックするようにしています。
あとは、キャリアコンサルタントのサポートが無料で受けられる、転職エージェントも活用しましょう。退職までは普段の業務に加え、引き継ぎもあって意外と忙しいもの。自宅に帰って「さぁ求人チェック」が厳しい日もあるでしょう。毎日求人チェックできないし、良い条件の求人はすぐに埋まってしまうし、知らず知らずに機会損失をしてしまうなんてことも。
そんな時に助けてくれるのが、キャリアコンサルタントの転職エージェントです。初回の登録面談で希望条件を伝えておけば、条件に合う求人が出た時に知らせてくれます。そのまま代わりに応募までやってくれるし、その先の面接日時のセッティングもしてくれるんです。自分がやると丸一日かかってしまう事を、すべて自分の代わりにやってくれます!
登録をおすすめしたい転職サイト・エージェントに関しては下記の記事に詳しくまとめてあります。本当、転職支援があるとないとでは全然違いますから!お金も掛からないので、転職の際は、ぜひその楽さを体感してみてください!
4. 業務の引き継ぎ
無事に退職が承認された次は、自分の業務の引き継ぎに着手しなければなりません。
あなたが汗水垂らして増やした担当件数ですが、残念ながらあなたの手柄ではなく事業所の資産です。
担当していた利用者様を転職先の事業所に引き抜いた、という豪快なケアマネを知っていますが、裁判沙汰になってたので絶対にやめましょう。
あなたの担当を後任のケアマネが問題なくスムーズに引き継げるよう、簡単でも良いのでマニュアルを用意すると良いでしょう。ケアプランや毎月のモニタリング、利用者様ごとの対応方法をまとめておけば完璧です。
長期に渡ってサービス利用が続いている利用者様は、経過記録の書類も膨大。さかのぼって確認するのも大変。後任のケアマネがスムーズに引き継げるよう、簡単にまとめておくといいでしょう。
これをやるかやらないかでは退職時の対応が変わってきます。飛ぶ鳥跡を濁さず。ちょっと面倒でも良い雰囲気で会社を去れるように頑張りましょう。
5. 担当利用者に挨拶
退職日が決まったら、後任のケアマネと一緒に担当利用者様に挨拶しましょう。毎月のモニタリングついででも良いでしょう。
もし、利用者様に何も言わずに辞めてしまうと、あなた本人だけでなく事業所全体に良くない印象を与えてしまうかもしれません。そうなれば、引き継いだケアマネも受け入れてもらえず非常に迷惑に。
後任のケアマネと一緒に挨拶することで、利用者様も安心します。利用者様と事業所との関係性を保つためにも、しっかり挨拶回りを忘れずに。
6. 関係サービス事業所に挨拶
担当利用者様への挨拶と平行で、関係サービス提供事業所への挨拶も忘れずに行いましょう。
各事業所の管理者に挨拶する必要はありません。サービス提供責任者や相談員など、業務で直接的に関わった人たちだけでOKです。もし都合が合わなかったら電話かメールでも大丈夫でしょう。
別会社とはいえ同じチームとしてケアサービスを提供した仲間です。もしかすると、転職先でも一緒に仕事をするかもしれません。
そういった意味では、関係サービス事業所への挨拶が退職時において一番大事なことかもしれませんね。
7. 上司や同僚に挨拶
出社最終日は事業所内の挨拶周りです。仲が良かった人、普段全く喋らなかった人、上司や同僚、事業所内の全ての人に今日が最終出社になることを伝えましょう。
その際はウソでもいいので「お世話になった」と一言添えることがポイントです。余計なことは言わずシンプルな挨拶で十分です。本当に仲がいい人とは、後日、お別れ会でじっくり話しましょう。
あと菓子折りも忘れずに。人数分の小分けになった乾き物がおすすめ。仕事の合間に食べられるクッキーなどがベターです。
この日が終われば晴れて退職完了。有給休暇を消化しながら、転職活動に本腰を入れましょう。
転職・退職時期のポイントまとめ
最後に転職・退職時期のポイントをまとめます。
- ケアマネが転職すべき時期は「仕事が忙しくない時期」「同僚に迷惑がかからない時期」「退職手続きが面倒じゃない時期」「ケアマネの求人が多い時期」
- ケアマネの転職や退職におすすめなのは「2月」「6月」「9月」
- 転職時期が決まった後にやるべきことは「退職届の準備 → 上司に相談 → 転職サイトに登録 → 業務の引き継ぎ → 担当利用者に挨拶 → サービス事業所に挨拶 → 上司や同僚に挨拶」
- 転職サイトは複数登録して機会損失を逃さない
- 転職エージェントは無料だから活用しよう
転職は人生における大きなターニングポイントです!大変かもしれません、今よりももっと良い条件で働けるように踏ん張りましょう!
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